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成果を上げるための目標設定の是非

世に出回る成功本によると、高い成果をあげるための条件の一つに明確な目標設定というものがあります。


成功の定義は別にして、より高い成果をあげるためには目標を作ることが推奨されています。

 

ところが、目標設定を行うことに反対する方々によると、

「目標を設定することで、自分の行動が縛られるため却ってやりにくい」という声が出てきます。

 

実際、目標を持っていなくても周囲の人より成果を上げている人は存在しますから、成果を上げるためには目標を持つことが絶対条件である、という思い込みには気をつけなければなりません。

組織においては、各自の目標を持たせることを強いる場合が多いですが、必ずしもそれがベストではないということです。


目標管理を導入している企業からしてみれば、目標設定する人としない人がいると、評価の観点が変わるので困るでしょう。

それに企業規模が大きくなれば、効果と効率の観点から最大公約数を求めることになりますので、もし目標管理制度を活用するなら、全社的に導入することが通常の流れです。
しかし、小規模企業やベンチャー企業の場合、従業員が少ないことを生かして、どのようにすれば各人の成果をもっと高められるかを徹底的に研究したほうが良いのではないでしょうか?


こう書くと、評価の公平性について懸念されるかもしれませんが、評価が公平であることと、従業員に納得感を持ってもらうことは、決してイコールではありません。
そもそも、絶対的に公平な評価システムは幻想ではないでしょうか。
それよりも、従業員が納得感を持ちながら、より高い成果に向けて、仕事に取り組んでもらうためにはどうすれば良いかを考える方が得策であると思うのです。

一般的には、公平な評価を目的として同じものさしを使い、従業員に納得感を持たせようとするわけですが、これは納得感を持たせるための一手段に過ぎません。
業務内容が異なる以上、同じものさしは使えないということを従業員に理解・納得させることに注力することも、また別の手段としてあるわけです。
企業の現場を見ていて感じることは、この説明責任が圧倒的に不足しているという現実です。
従業員の理解・納得を得るために、丁寧に説明することをしないで、評価ツールや仕組みをいじくり回していても、本質的な問題は解決されないと考えています。

何が言いたいかというと、多くの企業の常識が自社の非常識であってもいいのではないかということです。
その意味では、従業員の納得感を高めるために、給与の一部をサイコロで決めるような某企業があっていいと思います。
そのような手段であったとしても、従業員が納得感を持って働けて、かつ成果を上げてくれるのであれば、それが企業の求めるところであります。


あなたの会社の従業員が納得感を持って働けて、かつ成果を上げてくれる方法は他にありませんか?
目標設定の有無も含め、常識に囚われずに考えていきたいものです。