入社一時金制度 9つの狙い

人材紹介会社の方から聞いた話なのですが、某大手企業が中途採用時に入社一時金制度を導入し始めたそうです。
多額の入社一時金を用意する企業が現れると、紹介会社の方々は、「紹介会社潰しである」と思うらしく、

社内でも話題になるそうです。


確かに、一般的な紹介料は、入社予定者の年収の約3割ですから、紹介会社に数百万を支払う代わりに、

自社へ直接応募してもらえば、年収額によっては、入社一時金の方が採用費を抑えられるかもしれません。
もちろん、こうした理由のために入社一時金制度を導入する企業はありますが、その他にも多様な狙いが

あります。順不同で狙いを考えてみます。

< 入社一時金制度の狙い >
1.採用費の削減(上記)

2.競合対策(獲り合いに勝つため)

3.話題性の提供、認知度アップ

4.応募者の増加

5.採用担当者へのプレッシャー

6.緊急性が高い

7.就職支度金(引越し準備支援など)

8.入社交渉のカード(サインオンボーナス)

9.つなぎとめ


2の競合と人材を獲り合う目的で言えば、ネットゲーム業界は熾烈を極めています。
特に、アプリやゲームの開発エンジニアには、100~200万円程度の入社一時金を用意しています。

入社エンジニアに高額一時金支給がブーム DeNA、ドワンゴ-人材争奪戦


3や4は、上記のようにネット記事になるなど話題になることで、

企業自体の認知度を上げることを狙ったものや、応募者の増加を狙っています。
入社一時金がインセンティブとなることで、転職サイトへ求人広告を出すよりも、

応募者が増えるかもしれません。


5は、可能性としては低いと思いますが、入社一時金制度を導入することで、

それまで以上に慎重に採用することを採用担当者に求める意図です。
効果の程は分かりませんが、採用担当者に対して、より良い人材を採用しろと言うより、

プレッシャーをかけられるのではないでしょうか。


6は、募集~入社までの採用スピードを早める目的ですが、

やり過ぎると応募者に離職率の高さなどを不安視される可能性があります。
8は、外資系企業では一般的で、あと少し在籍すれば貰える前職の賞与を補償する代わりに、

早く入社してもらうことを狙いとしています。


その他にも、入社意思を固めさせる口説きのカードとして、使われます。

入社時点では、基本給をもう上げられないときの奥の手です。


9は、入社後、一定期間所属していることを条件に一時金を支払います。期間満了前に自主退職した場合は、

返還を求められることがあります。
ただし、これは強制労働とみなされ、労働基準法違反の疑いがありますので、訴訟になれば無効になりますが、

知らない方は返還しているかもしれません。
以上のように、相互に関連している部分もありますが、同じ施策でも、

背景にある企業事情や施策の目的は異なります。


そういうわけで冒頭の話題、「入社一時金制度は、人材紹介会社潰し」になるとは、限りませんね。