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質問できない若手社員が存在する5つの要因

来月あたりから新入社員向けのフォローアップ研修を実施する企業も多いのではないでしょうか?

 

弊社でもこのような研修依頼があり、毎年9月~10月は、新入社員や若手社員が自らの仕事を振り返る場となるような研修を実施しています。

 

このような研修の際に、近年よく出てくる彼らの悩みの一つが、先輩や上司にうまく質問できないというものです。

 

質問できないといっても、その要因はいくつかあります。

 

 

 

 

 1.遠慮、過剰な気遣い

 

先輩や上司が忙しそうにしているため、自分が分からない点を質問すると、彼らの仕事を邪魔してしまうと考え、迷惑を掛けないようにしたいという心理が働いています。

 

そのため、何時間もかけて自分で調べることもあれば、必要な質問であるのに、できるだけ後回しにしようとします。

結果として、若手社員の仕事が停滞するのです。

 

このような場合の対策としては、質問をすることによって、自分ではなく、自分の周りの人々にどう役立つか考えさせることが有効です。

 

早く質問することによって、自分の仕事がスムーズに進むわけですから、組織の成果にも早く繋がる可能性が高まります。

 

それは、周囲(先輩や上司)にとっても、望ましいことであると理解できれば、気遣いや遠慮をしているほうが、周囲にとっても自分にとっても良くないと判断できるようになります。

 

 

 

 2.自己防衛

 

つまらない質問や簡単すぎる質問をして、先輩や上司から、

 

「こんなことも分からないのか!」、

「これぐらい自分で調べろ!」

 

などと、叱れるのではないかと不安になっていることが背景にあります。

 

叱られることは、必ずしも悪いことばかりではないことを理解してもらう必要があります。

 

社会人になるまでに、叱られた経験の乏しい若手社員は案外多いのです。

彼らにとっては、「叱られること」それ自体が新鮮な刺激であり、心理的なショックが大きい出来事とも言えます。

 

 

 

 3.「何が分かっていないか」が分からない

 

自らの業務の全体像を把握していないことや、業務遂行におけるポイントを理解していないことが考えられます。

この場合は、業務についてのティーチングが不足しています。

 

仕事の進め方を理解させやすい育成手法の一つとして、バックワード・チェイニングがあります。

 

以前、ブログで書いておりますので、よければご覧ください。バックワード・チェイニング

 

 

 

 4.聴き方に関するスキル、経験不足

 

これは、要領の得ない質問をしてしまうことです。

話の聴き方や質問の仕方は、トレーニングによって誰でも改善できます。

 

まだ他者を観察する力が乏しいため、相手の状況や立場を把握できず、

自分のタイミングで、今自分が知りたいことを聞いてしまうことがあります。

 

 「お忙しいところすいません」、「今少しお聞きしてもよろしいですか?」

このように相手を気遣った言葉を使うことが出来ないこともあるでしょう。

 

 

  しかし、こうした失敗をしっかり注意してあげれば大きな問題にはなりません。

 

 

 

5.他者への関心が乏しい

 

質問できないというより質問する意欲があまり見られないというものです。

 

職場で、良好な人間関係を構築するためには、仕事に関する話題以外にも、個人的な話題などを通じて、自己開示や相互理解が必要になります。

 

他者への興味が乏しいと、相手を理解しようとか、積極的に知ろうとすることはありません。

 

自分からは質問しないわけですから、うまく質問できるはずがありません。

 

極めて少ないですが、他者との関わりが少ない仕事や、他者と関わらなくても成果を出せる仕事に就いている場合は、さほど問題になりません。

 

そうでない場合は、採用のミスマッチです。本人の性格や志向に合った仕事を探してもらう方がいいでしょう。

 

 

 

報連相に関する問題も、今回ご紹介した要因が関係しているケースが多いので、若手社員の育成に関わる方々のご参考になれば幸いです。