言葉というものは、不思議なもので、同じ言葉を見たり聞いたりしても、
人によって抱くイメージが異なることがよくあります。
    
    例えば、ストレスという言葉。
    
    あなたは「ストレス」と聞いて、どのようなイメージを持ちますか?
    
    多くの人は、ストレスをとても悪いものと思っています。
    先日、メンタルヘルス研修を実施した際、受講者の一人が、「ストレスなんて百害あって一利なし」と
    言われました。
    ところが、ストレスにも良いところがあるのです。
    ストレスと生産性の研究では、最も高い生産性を発揮しているとき、一定のストレスがかかっていることが
    分かっています。
    もちろん、行き過ぎたストレスは、生産性を落とし、うつ病のようなメンタルヘルス不全のリスクを高めます。
    しかし、少なすぎるストレスでも、生産性が落ちてしまうのです!(ヤーキーズ・ドッドソンの法則)
    
    同じ様な偏ったイメージや誤解は、他にもあります。
    例えば、コレステロール。
    
    年齢とともに、コレステロール値は上がりますが、数値が上がると身体に良くないと思っていませんか?
    実は、コレステロール値が上がるのは、病気が原因という場合ばかりではありません。
    体内の修復にもコレステロールが使われているのです。
    例えば、ストレスに対抗してくれる副腎皮質ホルモンの原料に、コレステロールが使われています。
    年齢を重ねると、仕事やプライベートにおける責任が重くなり、ストレスも増える傾向があります。
    そこで、ストレスに心身が耐えられるように、コレステロール値が上がるのではないかと考えられています。
    このようにストレスをあなた自身がどのように捉えるかによって、息苦しくなることもあれば、
味方にすることができます。
    言葉が持つイメージや意味づけは、実は私たち自身が勝手に行っていることがあるのですね。
    その解釈が変わるだけで、生活にも変化が生まれます。
