これからの人事コンサルタント

いつもお世話になっているお客様から、知人が人事コンサルティングに
興味があるので、実情を伝えてあげて欲しいとご依頼いただきました。

 

先日お会いして、色々とご質問いただいたので、僕が日頃感じていることを
率直にお伝えしたのですが、少々泥臭い話をしすぎたかもしれません。

 

人事コンサルティングという仕事は一般の方には馴染みがなく、
採用や研修ビジネス専門に携わる方々にでさえ、
よく知らないと言われることは珍しくありません。

 

どうやら人事コンサルタントは華やかなイメージがあるようですが、
仕事のほとんどは目立ちません。


むしろ、目立ってはいけないのではないかと思うこともあります。


 

組織にまつわる問題は、そう簡単に答えを出せず、本当の成果を短期間に
出すことは困難です。


それでも何らかの成果を出さなければならないため、
効果が一過性であると知りながら、分かりやすい施策を用いる同業者もいます。

 


本に書かれているような企業変革ストーリーのように、同じ手法を用いれば、
どこの組織でも同じように素晴らしい成果を得られるかといえば、
決してそれほど簡単ではありません。


ひとりとして同じ人間がいないということは、その集団である組織にも

一つとして同じ組織はないのですから、少し考えれば当然の話です。

 

また、元人事スタッフで自身の経験を基にコンサルティングを行うという手法も
これからの日本企業が抱える組織課題には対応しきれないと思います。 


もちろん、過去の経験が全く役に立たないと言うつもりはありませんが、
「私が人事をしていた頃は・・・」という経験論だけでは限界があるでしょう。

 

グローバル市場へ事業展開する企業にとって、職場に外国人が存在することは
当たり前で、実際にそうした企業はますます増えています。


そうした組織において、日本人しかいなかった組織の人事施策を実施しても
うまくいくとは限りません。
さらに言えば、日本人の価値観でさえ変わってきているのですから。

 

だからといって、世界に名立たる人事コンサルファームに任せれば、
簡単に解決するかと言えば、それも難しいのではないかと思います。


なぜなら、多くの日本人は「劇的に変化する」経験をしておらず、
またその危機に直面してこなかったため、日本人従業員の意識と行動を
変えることは相当な困難を伴うと予想されます。

 

そのような人々とより良い組織づくりを目指していくためには、
前例に囚われずお客様と一緒に考え、試行錯誤しながらもパートナーシップを
発揮できる人事コンサルタントが必要とされると考えています。


 

そう考えると、人事コンサルタントという名称も時代遅れかもしれません。
より良い組織をつくる人事プロデューサーにならなければなりません。

 

組織は生ものと言われるように、こちらの思うように
変化しないことや、予期せぬ事態が発生することがあります。

 

それでも、より良い組織づくりに向けて、お客様と取り組めるこの仕事に
飽きることはなく、その組織の未来を考えて仕事を行えるわけですから、
きわめて奥の深い世界です。


 

それは、まるで終わりのない旅のようですが、
終わらないから楽しいのかもしれません。