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採用と育成を本当に繋げていますか?

弊社の事業領域には、採用支援と人材育成支援があるため、企業の採用担当者や教育担当者と仕事をさせていただいています。

 

今や当然のようになっているので、誰もそんな話題を持ち出さないのですが、ずっと不思議に思っていることがあります。

 

なぜ、内定者研修は採用担当者が行うのに、新人研修は教育担当者が行うのでしょうか?

 

採用と教育という職務内容で分けているのか、入社前と入社後という時期で分けているのか、あるいは何となく区切りがいいから分けているのでしょうか?

 

新卒採用に携わる人事担当者は、採用活動の開始から計算すると、新入社員になる人材と1年以上前から接しています。

 

まだ応募するかさえ分からないような時から関わって、コミュニケーションを取りながら自社に振り向いてもらうように育て、内定者にしてきたわけです。

 

そして、入社後の早期即戦力化を目指して、採用担当者が内定者教育を熱心に行っている企業も見られます。

 

しかし、4月に入社すると、採用担当者と新入社員との接点はほとんどなくなってしまうようです。

 

 

育成される新卒者からすれば、内定者時代を経て、入社後も採用担当者が教育担当者として接することに何の違和感もないでしょう。

 

それどころか、双方の相互理解も進んでいますから、新人の時によくある悩みや課題などを採用担当者に相談しやすいはずです。

 

 

新入社員を早期即戦力化したいという目的は、どの企業でもおおむね共通しています。そのための主な取り組みとしては、OJTOFF-JTなどを組み合わせた適切な教育と、職場環境への適応・定着です。

適切な教育のためには、対象者である新入社員をより深く理解している社員が必要ですから、採用担当者は適任です。

 

また、職場環境への適応に際して、うまくいかない新人が現れた際、その部署以外からフォローできる社員は、人事部の人間であり、採用担当者は新人と現場を繋ぐパイプ役として最適でしょう。

 

採用担当者の仕事を採用のみにしなければ採用活動は回らないという声が聞こえてきそうですが、それならスタッフを増やせばいいだけの話です。

 

さらに言えば、採用部門と教育部門を統合すればいいのです。

 

採用から育成までを繋げて考えるなら、入社3年間ぐらいまでは、採用担当者の職務に含むという発想があってもいいように思います。

 

そもそも、なぜこれらの部門(職務)を切り離しているのか。組織を強くするうえで、本当にその必要があるのか。

 

先入観や固定観念を取り払って、再考してみてもいいのではないでしょうか。