「業者」という言葉には、本来、侮蔑の意味はありませんが、企業によっては、
発注側が上、受注側が下という差別的なニュアンスを含んでいる場合もあります。
先日、ある方からお聞きしたのですが、お客様から自社を「業者」ではなく、
「対等なパートナー」として見られたいという話がありました。
あなたの会社は、お客様からどのように見られていますか?
お客様から対等なパートナーとして接してもらうために必要な取り組みは、
色々と考えられますが、そもそも自社は取引先の方々に対して、
対等なパートナーとして接しているでしょうか?
また、自社の社員は、業者、出入り業者、下請け業者などという言葉を
使っていないでしょうか?
もちろん、侮蔑する意味合いでこうした言葉を使う社員ばかりではないでしょう。
しかし、本当に「対等なパートナー」と考えている人たちは、
取引先の方々に対して、業者という言葉を使うでしょうか?
・取引先を見下す言葉が社内に蔓延
私が以前勤めていた会社では、上司や同僚が、いわゆる下請け先となっていた
取引先企業に対して、「その仕事は業者に投げておけばいい」、
「あの業者に定期的に仕事を与えてやっている」といった発言をしていました。
こうした発言が社内で行われていても、上司をはじめ、誰も咎めることは
ありませんでした。
日常的に、こうした発言を耳にしていれば、取引先は自社よりも下の立場である
と認識してもおかしくはありません。
若手社員のうちから、こうした環境にいると、マネジャーになったとき、
同じように取引先を見下してしまうでしょう。
さらに、若い部下たちにもそのような認識を持たせてしまうのです。
そのような企業が、お客様から対等なパートナーとして、果たして
認識してもらえるのでしょうか?
あるいは、お客様から日常的に業者と呼ばれ、差別的な扱いを受けているから、
自分たちも顧客の立場になった時、取引先を見下してしまうのかもしれません。
いずれにしても、お客様から対等なパートナーとして認識されている企業では、
取引先企業を下請けではなく、大切なパートナーとして扱っています。
お客様から自社を業者扱いではなく、正当に見て欲しいなら、
まずは社員の言葉遣いから見直す必要があります。